あふれる舞人生

あふれる舞人生

幸せだと感じれば

息が思うように吸えない。手が、身体が勝手に硬直していく。
 ルティシアはその恐怖に耐えながら首を振った。

「わたしが悪いのっ……わたしなんかがいるからみんな不幸になるっ……いずれ陛下も……この子もっ」

 母で、逞しく、ルティシアが不器用で上手くできなくても、大丈夫と温かく励ましてくれたエミーナ。
 ルティシアは血を吐くような苦しさで吐露する。

 エミーナが、乗り出して、ルティシアの肩をぎゅっと抱きしめるSIAX 瘦面

「違う。あなたが悪いんじゃないの。人には人それぞれの運命というものがあるのよ。誰かがどれほど願って、貶めても、誰にもその人の幸、不幸を左右することなんてできないの。その人がどれほど苦境にあっても、幸せなのよ。思い出して。……あなた私に言ったじゃない。こんなところに閉じ込められて逃げ出したくならないのって、私が聞いたら、あなたなんて答えたか覚えてる?」

 十五年も前のことだ。
 ルティシアが初めて子を生むときに、エミーナが手伝いに来てくれた。出産前から泊り込みで来てくれて、楽しい話でルティシアの緊張をほぐしてくれた。
 そんなルティシアに、エミーナが聞いたのだ。
 ルティシアはこう答えた狗糧牌子

「『そんなこと考えたこともないわ。私は幸せよ。だって、陛下やファーミア、あなたやここにいる人たちがとても優しくしてくれるもの。陛下が許してくださる限り、私はここにいたい。それに、陛下のお子をもったいなくも、私などがこうして生むことを許していただけるのよ。これほど幸せなことはないわ』」

 一言一句忘れてなどいない。何度も何度も同じことを思い、幸せを感じた。
 エミーナから見れば幸せそうには見えないかもしれないが、ルティシアは自分が不幸などとはほんの少しも思っていない。
 
「今でも私はそう思っているわ」

 話すうちにいつの間にか硬直は解けたが、手の震えは止まらない。

 宥めるように、エミーナがルティシアの背を優しく撫でる大學 聯 招 放榜 日期

「それでいいのよ。その幸せは、誰にも奪えない。誰にも邪魔できないあなただけの想いよ。でも世の中にはどれだけ恵まれていても、幸せを幸せと感じられない人もいるの。それを人のせいにする人だっているの。あなただって本当は分かっているはずよ。誰かを傷つけるような力なんてあなたにはないことを。そうでしょう?」

 ルティシアは震える口元で紡ぐ。

「ええ、私は何もしていないわ。ご側妃が身篭ってらっしゃることも、知らなかったんだもの」

「知らなければ、たとえ誰かを傷つける力があってもできないことだわ。だからあなたのせいじゃない。自分が守れず子が流れたのを、あなたのせいにしているだけなのよ。心が弱いから、誰かのせいにしなければ自分を保てないのよ。大丈夫、陛下もちゃんと分かってらっしゃるから」

 『陛下』